睡眠時無呼吸症候群の症状になると糖尿病になるリスクが1.6倍高まります。睡眠時無呼吸症候群のもう一つの症状が、この糖尿病なのです。糖尿病も「生活習慣病」の一つに数えられますが、睡眠時無呼吸症候群と密接な関係を持っている合併症の一つです。
今回は睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の症状の関係についてお話していこうと思います。
睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係性とは
2005年に睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係性について研究データが報告されました。
このグラフはAHI(低呼吸無呼吸指数:1時間当たりの低呼吸・無呼吸の回数)別に、睡眠時無呼吸症候群の方がどのくらい糖尿病になるのかを示しています。
AHIが高くなるにつれて糖尿病の症状になるリスクが高まり、AHI15以上で14.7%になることが報告されています。
睡眠時無呼吸症候群になると、なぜ糖尿病の症状が出るのか
ではなぜ睡眠時無呼吸症候群になると糖尿病の症状が出るのでしょうか。
糖尿病は「生活習慣病」の一つですので、睡眠とは無関係のように思えます。
糖尿病の原因とは
血液中のブドウ糖が過剰に多くなるのが糖尿病です。膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖がコントロールされます。
しかし何かしらに理由でインスリンの分泌が少なくなったり、膵臓の働きが弱くなったりすると、血液中のブドウ糖が過剰になり、高血糖の症状が出ます。
この高血糖の症状がしばらく続くと糖尿病になります。
睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係とは
糖尿病はインスリンが少なくなることによって起こる症状です。一般的に生活習慣が乱れたり、肥満や運動不足によって引き起こされます。
したがって、睡眠時無呼吸症候群とは関係がないように思えますが、そうではありません。
近年の研究によって糖尿病は睡眠時無呼吸症候群との関係性が指摘されています。インスリンの働きは、睡眠不足によって低下することが分かってきたのです。
オランダのライデン大学では、睡眠時間が短いと糖尿病のリスクが高くなるといった研究結果を発表しました。またアメリカのシカゴ大学では、睡眠時間を4時間に制限したら、1週間で高血糖になったとのことです。
またある報告では糖尿病患者のうち、どれだけ睡眠時無呼吸症候群になっているのかを調査した結果があります。その報告によると、糖尿病患者の内、70%に睡眠時無呼吸症候群の症状が出ていたとのことでした。
無呼吸や低呼吸、睡眠時間を改善することでインスリンが正常に働くようになり、血糖値が改善されたとの報告もあります。
睡眠時無呼吸症候群は糖尿病と密接な関係があるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以外にも睡眠時無呼吸症候群と糖尿病に接点があって、驚かれる人が多かったのではないでしょうか。
インスリンは睡眠時間によってインスリンの働きが変わってくるのです。また、睡眠時無呼吸症候群になると糖尿病になるリスクが4倍になるといった報告もあります。
糖尿病にならないためにも、睡眠時無呼吸症候群や睡眠時間に気を付けることをおすすめいたします。