飲酒運転についてはその危険性を熟知しているとおもいますが、睡眠不足についてはどうでしょうか。実はある条件では睡眠不足と飲酒運転は同じくらい危険性があると言われています。
そこで今回は睡眠が運転にどの程度影響するのかをお話しします。
睡眠不足は飲酒運転と同じ
睡眠と運転について、ボストンにあるノースショア・スリープ・メディスン・クリニックの開設者リサ・シーヴスは次のように語っています。
車の運転中に眠気に襲われると、飲酒した時並みに運転能力が低下する研究はたくさんあります。具体的に言うと、20時間寝ていない状態で車を運転すれば、アルコール血中濃度が0.08%の人と同等のレベルまで運転技術が下がります。この血中濃度はアメリカ全土で飲酒運転と見なされる数値なのです
これを聞いてどう思ったでしょうか。飲酒運転は日本でも大きな問題になっていたので反対の声は多いですが、一方の睡眠不足による運転はどうでしょうか?運転する時に睡眠不足を知っていれば事前にやめることができるでしょうが、突然運転中に睡魔がやってくることもあります。
極端な疲労による運転、睡眠不足による運転も飲酒運転と同じように反対の声を上げるべきなのです。アメリカ運輸省道路交通安全局の調査では、毎年警察に報告されている交通事故のうち、10万件は疲労や睡眠による眠気が直接的な原因だと言われています。飲酒運転より客観的な判断がしにくいため、この数字は氷山の一角でしょう。
運転中に睡眠してしまう人はどのくらいいるのか
では運転中に睡眠や居眠りをしている人はどのくらいいるのでしょうか。アメリカの睡眠財団が行った調査では、車の運転中に睡眠不足による眠気を感じたことがあるドライバーの数は次の通りだと報告されています。
眠気を感じた:60%
運転中に睡眠・居眠りをした:37%
実際に交通事故になった場合は、タイヤ痕が残らなく、助からないためそのほとんどが何が原因なのか分からず仕舞いで、実際の数はもっと多いと考えられています。
睡眠が原因で起こった事故
運転中に眠気を感じたり、睡眠・居眠りの経験がある人が多いことは分かりました。では実際に交通事故になった人のうち、睡眠が原因だったものはどのくらいあるのでしょうか。
アメリカのAAA財団(交通安全を推進するアメリカの団体)が調査しました。この調査によると死亡事故が起きた運転事故のうち、17%は睡眠や眠気、居眠りが原因だったということが明らかになっています。
日本では飲酒運転による事故が5.7%だそうです。ということはその3倍も睡眠・居眠りによる事故が多いことになります。すでにお話しした通り、睡眠不足による運転は飲酒運転で捕まる状態と同じ運転レベルですから、飲酒運転よりもまずは睡眠不足による運転を何とかすべきなのです。
飲酒運転と睡眠不足による疲れた状態での運転を比較
ディズカバリーチャンネルで行われた、飲酒運転と疲れた状態での運転を比較した実験をお伝えします。
コースは以下の通り。
①街中を走る事を想定したコース
②高速道路のような単調なコース
運転者は以下の2通りで運転を行いました。
①アルコール血中濃度0.07%
②30時間睡眠をしない状態
すると、飲酒状態の運転に比べて睡眠不足だった運転はその10倍ひどく、運転ミスは3倍多かった。つまり睡眠不足によって疲れている時は、運転してはいけないのだ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
睡眠と運転の関係性についてお話ししました。もう一度お伝えしたいのは、睡眠不足によって疲れている場合、その運転のレベルは飲酒運転よりも悪くなるということです。
ですから睡眠不足にならないように注意しなければなりません。良質な睡眠をとるためには、以下の記事をご覧ください。
〇ノンレム睡眠
〇良質な睡眠を得るための光の使い方
〇良質な睡眠を得るために2つの方法
〇朝に運動するとよい睡眠が得られる