熟睡するに運動することはとても良いことです。ただしそれは正しい睡眠で運動を行う必要があります。良質な睡眠には、夜運動すると良くないという報告がありました。朝運動した方が睡眠には良いのです。
そこで今回は運動が睡眠に影響を与える効果についてお話しします。
目次
運動と睡眠の関係とは
運動と睡眠は切っても切れない関係性があります。運動すると筋肉繊維に亀裂が入ります。運動することで体内はストレスホルモンが多くなり、炎症が多くなり、また血糖値が異常値になります。
つまり運動後は体の影響はかなり大きいのです。しかしこれが別に運動することが悪いわけではありません。
よく知られているように、運動後の睡眠によってホルモンが大量に分泌され、修復していくのです。運動直後のストレスホルモンは特に問題ありません。しかしそれ以外の荒れた食生活や精神面、感情面のストレス負荷はよくありません。
良い睡眠をするには運動が欠かせない理由は、以下の3つなのです。
①インスリン感受性の向上
②代謝の向上
③ホルモン機能の向上
運動することはこれらの向上によって、睡眠に良い影響を与えていきます。
夜に運動するのは良くない
アメリカの大学の研究でよい睡眠を得るには、運動は午前にするのが有効だという報告がされました。午後1時に運動したグループと、午前7時に運動するグループに分けて睡眠のパターンを調べました。
すると、午前7時に運動した人は睡眠時間が長く、眠りも深かったことが分かったそうです。また身体の回復されるノンレム睡眠も75%も多かったそうです。
なぜ夜に運動すると睡眠に良くないのか
ではなぜ夜に運動することは睡眠に良くないのでしょうか。きっとこれを見た読者の方は、激しい運動をした後の方がぐっすり眠れると思っているはずです。
これは人間の体温が大きく影響しています。夜に運動すると体深部の温度が大幅に上昇してしまい、睡眠に良くないのです。体深部の温度が下がるには6時間ほどかかるそうです。だから午前に運動することで睡眠するまでに体深部の温度が十分に下がるのを待つ必要があります。
睡眠6時間前に運動するように心がけてください。
良質な睡眠を得るには朝に運動する
以下の記事でもお話しした通り、コンチゾールの分泌は朝から急増します。
したがって午前中、それも朝に運動した方が睡眠に良い効果が出ます。コンチゾールはメラトニンの分泌と反比例します。朝日を浴びて運動することで午前中のコンチゾールの分泌を促し、夜はコンチゾールを抑えてメラトニンの分泌を促し良質な睡眠を得ることができます。
是非朝に運動するようにしてみてはいかがでしょうか。
運動はこんなに睡眠を改善する
ジャーナル・オブ・クリニカル・スリープ・メディスンによると、不眠患者に運動させると睡眠が劇的に改善したという報告がありました。この実験には睡眠ポリグラフが用いられています。
被験者が運動をすると睡眠には以下のような効果が現れました。
①睡眠に入るまでの時間が55%短縮した
②睡眠時間が18%増加した
③目覚めている時間が30#減少した
④睡眠効率が13%増加した
運動を適切にすることでここまで睡眠の質が良くなるのです。運動してすぐに改善しますが、睡眠を良くするには運動の継続が重要です。最低2週間以上運動を続けると睡眠がよくなるそうです。
睡眠ポリグラフについてはこちらの記事をご覧ください。
アスリートは睡眠時間を多くとっている!
世界的に活躍しているアスリートは、その多くが睡眠時間を多くとっています。このことから運動と睡眠の関係性が分かるかと思います。
バスケットボールのレブロン・ジェームズ、ゴルフのミッシェル・ウィー、テニスのロジャー・フェデラーは毎晩必ず10時間寝るそうです。
またテニスのヴィーナス・ウィリアムズ、陸上のウサイン・ボルト、アルペンスキーのリンゼイ・ボンは毎日8時間睡眠をとるそうです。
ウサインボルトは運動と睡眠の関係についてこのように述べています。
睡眠はこの上なく重要だ。トレーニングを身体に吸収させるためには、身体を休めて回復させる必要がある。
また睡眠が運動にもたらすメリットについても研究結果があります。アメリカスタンフォード大学では、バスケットボール代表選手を被験者として、運動と睡眠の関係性を調査しています。
これほどの運動能力の改善効果があったのです。最高のパフォーマンスを出すには睡眠がとても大切なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
朝に運動する理由についてお話ししました。それは
①運動すると体深部の温度が上がる。
②一度上がった体深部の温度を下げるには6時間かかる
③朝に運動することでコンチゾールの分泌を促す
ことがその理由です。
是非朝に運動して睡眠を改善してみましょう!