無呼吸症候群の対策としてマウスピースを使う人も多くいるかと思います。そこで今回はマウスピースのメカニズムと本当に良いのかを検証していきたいと思います。
目次
マウスピースの無呼吸症候群へのメカニズム
マウスピースを装着することで、下あごが少し前に出ることができます。下あごが前に出ると舌の位置が持ち上がり、気道が広がって呼吸しやすくなります。
特に口呼吸が習慣になっている人に効果があります。口を空いたまま寝てしまうと、舌が落ち込んでしまい、無呼吸症候群やいびきの原因となってしまいます。
マウスピースはどこで作ればよいのか
マウスピースは市販品もありますが、無呼吸症候群による治療ですと、医療機関に受診して健康保険の適用をしてもらうのがベストです。
口腔内に虫歯、歯周病などの病がある人は、まずは無呼吸症候群のためにマウスピースをつける前に治療を完了しておく必要があります。
マウスピースの製作には、保険3割負担で15000円ほどです。ただし無呼吸症候群の検査で軽度~中度の診断を受けないと保険適用になりませんので注意が必要です。
マウスピースは無呼吸症候群に良いのか
マウスピースは保険適用で15000円ですので、CPAPに比べると負担が楽になります。しかしマウスピースで無呼吸症候群が良くなるのか、疑問を持つ人も多いはずです。
ある調査でAHIの平均が29.5の人が、CPAPとマウスピースを使うとどのくらいAHIが下がるのかを検証した研究結果がありました。
CPAP:AHI29.5⇒4.5
マウスピース:AHI29.5⇒11.1
いかがでしょうか。確かにマウスピースをつけることで無呼吸症候群が改善されている様子が分かります。
無呼吸症候群が重度(AHI:30以上)であると、中度にしかなりませんので、改善されたとは言えません。しかし無呼吸症候群が軽度~中度であれば、改善される可能性が高いことになります。
マウスピースを利用する際には以下について注意しましょう。
マウスピースは残っている歯が重要
よくある質問で入れ歯の人にもマウスピースで無呼吸症候群は改善しますか?というものです。残念ながらありません。
マウスピースで無呼吸症候群が良くなるメカニズムについてもう一回見てみましょう。マウスピースをつけることで下あごを前に出して固定することで、舌根の沈下を防ぐ。これがメカニズムです。
この例ではマウスピースは上下にある歯を固定源にして、下あごを前に出していますから、入れ歯であったり、残っている歯が少ないと、顎が固定しにくくなり、マウスピースによる無呼吸症候群の改善が難しくなります。
市販品はダメ
マウスピースは下あごを前に持ってくることで舌根の沈下を防いで無呼吸症候群を防ぐアイテムです。あなたの歯型に合うマウスピースでなければ効果は存分に発揮できません。
市販品でも無呼吸症候群向けのマウスピースが販売されていますが、効果がないこともあります。
マウスピースは重度の無呼吸患者には効果がない
マウスピースは先述したとおり、軽度~中度の無呼吸症候群向けの治療方法です。AHIが20以上の無呼吸症候群の方にはあまり意味がありません。重度の場合はCPAPを活用するのがベストです。
まとめ
マウスピースによる無呼吸症候群の改善効果についてお話しました。
マウスピースは確かに無呼吸症候群が改善しますが、歯が残っていなかったり、重度の無呼吸症候群である場合は、効果が発揮されません。
また市販品は、そもそも下あごを前に持ってくる効果があるのかも怪しいです。
無呼吸症候群にマウスピースを使用する場合は、必ずご自身の歯型に合ったものを作りましょう。