ポリソムノグラフィー(PSG)とは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を専門的に扱っている医療機関で受診することができる診察方法です。
ポリソムノグラフィーと言っても言葉自体あまり聞くことがありませんので、なじみのない言葉かもしれません。そこで今回はポリソムノグラフィーの検査方法や特徴、どんなことが分かるのかを中心にお伝えしていきます。
目次
ポリソムノグラフィーで何が分かるのか
ポリソムノグラフィーでは睡眠中の脳波は眼球運動を調べる眼電図、下あご部分の筋電図によって睡眠の質を調べることができる装置です。
睡眠時無呼吸症候群を精密検査するためには、必ずと言っていいほどポリソムノグラフィーによる検査が行われます。
また同時に口と鼻の気流や動脈血液酸素飽和度の測定、胸腹部の換気運動や心電図など、総合的に判断できるのがポリソムノグラフィーの特徴と言えるでしょう。
ポリソムノグラフィーを行うことによって、睡眠時無呼吸症候群の程度や合併症の有無を調べることができる優れた装置なのです。
ポリソムノグラフィーの検査項目
ポリソムノグラフィーは大きく分けて10個あります。
No | 項目 | 説明 |
① | 脳波測定 | 睡眠の深さを測定しています |
② | 眼球運動測定 | レム睡眠・ノンレム睡眠を測定しています |
③ | 心電図 | 心拍数や不整脈を測定しています |
④ | パルスオキシメーター | 血中酸素濃度を測定しています |
⑤ | 呼吸センサー | 胸腹部の呼吸を測定しています |
⑥ | 気流センサー | 鼻・口からの呼吸を測定しています |
⑦ | いびきセンサー | いびき音を測定しています |
⑧ | 体位センサー | 体の向きを測定しています |
⑨ | 筋電図 | 睡眠の状態を測定しています |
⑩ | 下肢筋電図 | 足が動くか測定しています |
ポリソムノグラフィー一台でいろんな測定ができることが分かるかと思います。なお、医療機関によってポリソムノグラフィーで測定できる項目は変わってくるそうです。
今あげたポリソムノグラフィーの項目はすべて検査するわけではありませんのでご注意ください。
ポリソムノグラフィーの測定は信用できるのか
ポリソムノグラフィーの測定方法は世界で共通の方法が確立されています。したがってどの医療機関でも同じ結果が出てきます。ただし先ほどお話した通り、ポリソムノグラフィーの測定項目は医療機関によって様々ですから、ポリソムノグラフィーで検査しても共通の項目を測定するわけではありません。
しかし検査前に飲酒や喫煙など禁止事項を行うとポリソムノグラフィーによる結果が変わってくることがあります。事前にお医者様の意見を十分理解してポリソムノグラフィー検査を行ってください。
ポリソムノグラフィーの時間は?
ポリソムノグラフィーの時間は医療機関によってまちまちです。しかしポリソムノグラフィーの測定は20:00~6:00くらいまで行うのが普通のようです。ポリソムノグラフィーの時間は最低8時間以上行うのが一般的なようです。
またポリソムノグラフィーを取り付ける時間も30分程度です。そんなに時間はかかりません。
仕事終わりに入院して、翌日出勤しても十分ですので、ポリソムノグラフィーはお忙しい方や休みが取れない方にも最適です。
ポリソムノグラフィーの費用はどのくらい?
ポリソムノグラフィーの費用は気にかかるところ。入院するのである程度の出費は必要になります。
ポリソムノグラフィーの検査費用は大体15,000円~30,000円ほどのようです。もちろんポリソムノグラフィーの項目であげたものすべてを計測するわけではありませんし、保険の種類や諸費用によっても変わってきますのであくまでも目安になります。
ポリソムノグラフィーを受ける際の注意点
ポリソムノグラフィーの注意点について見ていきましょう。
①昼寝をしないこと
ポリソムノグラフィーの当日、張り切り過ぎて寝れなかったのでは意味がありません。そのためにも昼寝は極力控えるようにしましょう。
②アルコールの摂取
アルコールを摂取すると眠気が普段と変わります。またアルコールを摂取すると筋力が落ちてしまい、舌根の沈下が起きていびきをかきやすくなります。
③睡眠薬の摂取
睡眠薬の摂取はもちろんNG。いつもと同じ睡眠の状態でポリソムノグラフィー検査するように注意してください。
まとめ
ポリソムノグラフィーは世界で共通の優れた睡眠時無呼吸症候群の検査機です。一回ポリソムノグラフィーを受けるだけで様々な体の変化を知ることができます。
また検査自体も仕事に支障がありませんので、休みがとりにくい人にもポリソムノグラフィーは最適です。
ポリソムノグラフィー検査を受ける前に簡易的な検査方法もありますのでこちらを参照ください。