みなさんは鼻で息をするのと、口で息をするのとどちらが楽でしょうか。ほとんどの方が鼻づまりがない場合は鼻呼吸の方が楽になるはずです。
これは鼻で息をしたほうが口で息をするよりも気流の抵抗が少ないからです。
上の絵は人間の頭の断面を取ったものです。口から息を吸い込むときは、舌が大きな面積を占めているため、空気が通りにくいのです。
目次
なぜ走るときは口呼吸をするのか
口呼吸の方が空気が通りにくいというお話をしました。でもちょっとまって!運動する時は最初は鼻呼吸でも、だんだんと口呼吸になっていくよね?
これは運動量に合わせて酸素を体内へたくさん取り込もうと、鼻呼吸から口呼吸へ移行するためです。鼻呼吸よりは口呼吸の方が、短時間で強く息を吸い込むことができるからです。
口呼吸はいびきの証
なぜ運動の話をしたのかというと、呼吸のやり方といびきには密接な関係性があるからです。いびきをかいている人のほとんどは、口呼吸になっています。
舌根が落ち込むと気道が狭まりますから、酸素をより多く取り入れようと鼻呼吸から口呼吸へと移行してしまうのです。つまり寝ながら運動しているのと同じ状態なんですね。
鼻の粘膜のセンサー
人間の鼻の粘膜には呼吸の気流を感知するセンサーがあります。このセンサーがあることで呼吸のリズムを一定に保つことができるのです。
しかし、口呼吸になるとこのセンサーが働かなくなりますから、呼吸のリズムが崩れてしまい、いびきが無呼吸になることが増えていきます。
いびきをかく人は、なぜ日中はいびきをかかないのか
夜大きないびきをかく人が、普段生活するときに大きな呼吸をしていることを見た人はいないでしょう。でも疑問に思いませんか?睡眠中に大きないびきをかくのであれば、起きているときもいびきをかきそうなものです。
これは睡眠中の神経細胞の動きが関係していきます。睡眠すると上気道を開く働きをする神経細胞は、働きが低下してしまいます。睡眠すると上気道がいつもより狭まってしまうのです。
睡眠中は体は休んでいますから、本来は酸素を大きく取り込まなくても良いはずです。だから上気道が多少狭まっても問題ないのです。しかし肥満などによって上気道が狭くなると睡眠中に舌根が落ち込み、いびきの原因となっていくのです。
こんな人はいびきに注意
いびきが出る人は肥満の中年男性のイメージがあるからもしれません。もちろん肥満になるといびきが出やすくなりますが、それだけが原因ではありません。
こんな人はいびきになっている可能性がありますので、チェックしてみてください。
肥満
肥満はいびきをかく最大の原因です。睡眠時婿中症候群になっている人の75%は肥満体質の人です。体重が増えると首回りも太くなり、上気道に脂肪が付着し狭くなります。また舌根も落ち込んで上気道を塞いでしまうのです。
まずはダイエットなどをして肥満を解消してみると良いでしょう。
鼻づまり
花粉症やアレルギー、風邪などによって鼻が詰まるといびきの原因になります。鼻が詰まると口呼吸になり、口呼吸で空気を吸うと上気道にかかる陰圧が強くなり、上気道を塞いでしまうのです。
ただし、これが原因で無呼吸症候群になる人は少ないです。
男性
実は男性であることもいびきが出やすい条件なのです。
こちらの記事でもお話していますが、女性ホルモンは上気道大筋と呼ばれる上気道を支える筋肉の働きを睡眠中でも活性化してくれる機能を持っています。
それに比べてそのような機能がない男性は、女性よりもいびきをかきやすいのです。
また閉経後の女性は、女性ホルモンの分泌が少なくなりますので、いびきが出る可能性があります。
小さい顎
日本人は肥満になっていなくても、欧米人と比べると睡眠時無呼吸症候群になったり、いびきをかきやすいと言われています。その理由が小さい顎を持っていることです。
あごが小さかったり、後退していると上気道のスペースがさらに小さくなってしまうため、いびきの原因になります。こちらは遺伝的な要因が強いようです。
加齢
歳をとることもいびきや睡眠時無呼吸症候群になる要因の一つです。特に50歳を超えると増加する傾向があります。加齢によって上気道を支える筋肉が弱くなることが原因です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はいびきの原因についてお話しました。いびきの原因はやはり肥満であることが一番です。いびきだけで済めばいいですが、無呼吸症候群になると大変です。
日中に眠気や倦怠感がないのか確認してみると良いでしょう。
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